まずは3.11。9年前のこの日未曾有の出来事が起こったこと。決して忘れてはいけないと思います。
さて3.11、日本スポーツ界にとって大きい決断が2つありました。
一つはB.LEAGUEが3月14日から4月1日までの試合を無観客試合でリーグ戦を行うことが発表されました。
B.LEAGUEは2月末から3月11日までのリーグ戦を延期しました。
その理由として無観客を行うとクラブの財政面が厳しくなることなどを挙げていました。
そして今回の無観客試合の発表。おそらくリーグとしては通常開催は現段階では無理として残るは再延期、無観客開催、そして試合の中止の3つの選択肢があったと思います。
その中で再延期は日程的にまず難しいのは誰が見ても明らかでそれは試合中止にするのと変わらない。となると残るは2択になる。この2択のメリット、デメリットを考えると、まず無観客試合のメリットは試合を消化できてリーグ戦を全チーム60試合できる可能性が高まる。そしてテレビ放映権が入るの2点が大きいと思います。デメリットはチケットやグッズ販売収入がない、選手のモチベーションの持っていき方が難しい、そして誰かが新型コロナウイルスに感染した場合の対応が非常に難しくなるといった点でしょうか。
次に試合中止にした場合、メリットとしては新型コロナウイルスのリスクが減らせる。レギュラーシーズン全60試合を消化できなかったとしても全チーム同じ試合数の消化で順位を決めることができる可能性が高い。クラブとしても経費を抑えられる可能性がある、という点でしょうか。
逆にデメリットとしては放映権を含めクラブ、リーグ側に収入が全く入らなくなる、選手がかなり公式戦がない中で過ごさなければいけなくなる、バスケット人気が低下する恐れがある、いつまで中止になるのか見通せない状況に陥る可能性がある、といったところでしょうか。
どちらを選択するにしてもメリット、デメリット双方が大きく非常に難しい判断だったと思います。
その中で決断したのが「無観客試合」での開催でした。
無観客でも試合を行ってテレビやネットで見てくれる人たちに元気を与えたいという気持ち、すごく共感しました。
確かにリーグ、クラブにとっては大損失になることは確実ですが、このような状況、閉鎖的な現状、Jリーグは延期、プロ野球も開幕延期という中で、バスケットボール・B.LEAGUEが果たす役割というのが大きくなっていたと思います。
Jリーグ、プロ野球のように開幕直後や開幕前ならまだ調整がつきやすいと思いますが、B.LEAGUEはもうリーグも終盤に差し掛かっている状況でほかのスポーツとは違うのです。
そこでB.LEAGUEがとった行動というのは私は大きく評価したいと思います。今大阪で開催されている大相撲春場所のようにたとえ無観客であってもテレビなどで見ている人たちに元気を与えられるのは今のスポーツに役割ではないかと思います。
私も実況に携わる身としてB.LEAGUEを盛り上げたいと思います。
そしてもう一つが春の選抜高校野球が中止と発表されました。
まず前提として私は責任をとれる立場ではないので、この決定を批判するつもりはないですし、尊重します。いち高校野球ファンとしてブログに書かせていただきます。
今日の午後5時30分にニュース速報で流れた時には「うそっ!」・・・驚きとショックでした。
先週の4日に無観客での開催を前提にということで話していたのもありますし、現状国内で大流行しているわけでもないと思っていたので、しっかり対応すれば開催できるのではないかと思っていました。
しかし火曜日に政府が大規模イベントの開催自粛を再度要請したことがどこかの新聞の記事で見たときに少し不安をおぼえました。なにか中止の方に傾いているのではないか、見出しを見ただけでそんな危機感になりました。
それでも何とか開催しないかなというある種の期待感を持っていました。
しかし結論は「中止」でした。
午後6時からの記者会見を見ていましたが、確かに関係者の方は最後まで何とか無観客で開催したいという感じは見られたし、苦渋の決断だったと思います。
しかし私は残念極まりないという気持ちです。コロナウイルスに負けたんだと感じてしまいました。
私は開催できると思っていたのは、
1、野球は屋外のスポーツであり観客を入れずにやれば感染のリスクはさほど高くないと思うから。
2、春の大会は阪神大震災、東日本大震災など大会直前になった困難でも開催したこと。
3、よく高体連の大会は軒並み中止にしているという意見があるが、高校野球はテレビ中継があり全国の方が見ることができる大会。しかも地域を代表して出場しているので地域の方が元気になれる。
4、そして昨今の選抜大会の意義の低下に歯止めをかけられる可能性があった。
5、高校球児の事を考えると春の大会は21世紀枠といった野球以外の面を評価して代表校を決めている。
などの点を考えてほしかったと思います。
1に関して記者会見でもあったように関西(特に大阪、兵庫)の感染者が多いという話でした。たしかに大阪、兵庫だけで100人を超える感染者を出しています。ただこれは感染経路はかなりの確率でわかっていることで、選手たちがその人たちと接触するということはかなり可能性が低いと思います(高野連がもう他の人にも感染していると考えているのなら別の話になりますが、そういう言葉は記者会見では話していませんでしたので)。しかも屋外でかなり広いスペースを使ってすることを考えれば開催しても良かったのではないかと思います。
2・3に関してはB.LEAGUEでも話したように、いろんなスポーツやイベントが自粛となっている状況の中で一つでも全国のみなさんが楽しめるコンテンツを提供してほしかったと思います。それでどれだけの人が励まされるか、元気づけられるか。
そして4に関して。関西の方ならよくお分かりかと思うのですが、昔、関西では春も夏も朝から晩まで地上波(民放)で高校野球中継があり、そして夜にはダイジェスト番組もありました。しかし夏は今もあるものの、春は地上波ではNHKのみ民放は決勝戦だけの放送となったのです。
さらにダイジェスト番組にいたっては昔は1時間番組だったのが30分になり15分になり挙句には5分の時もあったと記憶してます。
それだけ春の大会の存在意義が薄れてきているのではないかと私は感じていました。ここで大会を開催して高校球児が元気にプレーすることで日本に元気を与えられるのではないかと思います。
今回の中止がさらに春の大会の人気の低下につながらないかと感じました。
そして5に関してはせっかく掴んだ一生に一度かもしれないチャンスが幻に終わってしまうことを考えると本当に残念だなと思います。
確かに大阪、兵庫の感染リスクが決して低いとは言えず、球児の感染がゼロという保証はなく、高野連の今回の決定に理解もできます。
しかし教育の一環であり選手ファーストということを会見で言ったのであれば甲子園でプレーしたときの選手の成長や中止にしたときの代替案をもっと考えたうえで発表してほしかったなと感じました。